どうも。sokiです。
前回までの続きで、両親にカミングアウトした話を書いていきます。
今日は父にカミングアウトした話です。
contents
母から父に伝えられた
母にカミングアウトした日の夜、母は父に僕がゲイである事を伝えたそうです。
正しくはアウティングにあたりますが、母にカミングアウトした時に父に言っていいかどうかはあえて触れませんでした。
1人で受け止めきれないなら父に言ってもらっていいと思っていたからです。
父の反応は驚きと戸惑いで、「あんまりよくわかんない。最終的に女の子を好きになってくれたらいいなー」と漏らしていたそうです。
「まぁそうだよね。」と思いました。息子がゲイだと知って喜ぶ親はそういません。
ただ、女の子を好きになるかどうかは自分ではどうしようもないし、性的指向を選べるものだと勘違いしているのではと思いました。
「もしかしたら、父には受け入れてもらえないかも」と、カミングアウトした事を少し後悔しました。
カミングアウトしてから、母とはいつもと変わらず接していましたが、父とは気まずくなり、話さなくなりました。
カミングアウトした週末
研究室旅行から帰ってきて自分の部屋のベッドでくつろいでいたら、父が律儀にノックして入ってきました。
「これちゃんと読んどいて。」と封筒を渡し、出て行きました。
封筒にはsokiへと書いてありました。
真面目な話が苦手な父らしい方法だと思いました。
部屋の電気をつけ、ハサミを取り出しました。
「女の子を好きになってほしいとでも書いてあるのだろうか。」
ドアがちゃんとしまっている事を確認して、封筒を開けたら、中にはパソコンで作られたA4一枚の手紙がありました。
表と裏にびっちり文字が書いてありました。
「なんども書き直せるようにパソコンで作ったんだろうな。」
既に父の思いは伝わり始めていました。
父からの手紙
手紙を載せます。(一部個人情報のある箇所は変更してます)
sokiへ
君のことはお母さんより聞きました。君がそのような状況を受け止め、乗り切りつつあることに対し、あらためて君は「成長」したのだと感じています。リビングに飾ってある幼き 頃の君の写真を見るたびに、昔のことを思い出します。そして君が最早一人前の人として存在し得るまでに成長したのだと、自分自身に言い聞かせています。
親として私ができるとこはもうそれほどないのかもしれませんが、生物にも関わる専門家の端くれとして、AIDSとHIVのことを君に伝えたいと思います。AIDSは後天性免疫不全症候群の略称で、HIVの感染によって引き起こされる免疫異常の病気です。(中略)
薬がよくなったにもかかわらず、AIDS患者とHIV感染者の数は残念ながら日本では増え続けています。毎年1500人前後の新規感染者及びAIDS患者が発生しており、2016年には累計で27000人に達しています。感染者の約75%が同性間の性的接触によるものです。 アンケート調査によると20歳から59歳までの男子のうち約2%、すなわち約68万人が同性間の性行為の経験があるそうなので、罹患率を計算すると、同性間の接触がない人でのHIV感染者の割合が0.005%、AIDS0.004%に対し、同性間の接触経験者でHIV0.7%AIDSが0.2%に達します。すなわちHIVで140倍、AIDSで50倍高いことになります。(http://hiv-map.net/file/ryukou_2.html)。さらにAIDS感染者のうち400人は「いきなりAIDS」患者でHIV感染に気がつかなかった人たちです。潜伏期間を平均5年で計算すると 恐らくHIV感染者は報告の5倍はいると思われます。ざっくり計算すると1500人の同性愛者がHIV保有者で、かつ本人は気が付いていないと推定されます。約60万人中の1500 人すなわち0.25%がその確率になります。上記のHIV保有者と合計すると100に一人が HIV感染者であり、そのうち30%くらいは本人に自覚がないことになります。
同性愛者は異性愛者に比べると、多数の関係を結ぶことが多いそうなので、リスクは飛躍的に高くなります。異性間は妊娠というリスクがあるので、パートナー選びは必然的に慎重になりますが、同性間においてもAIDSのことを考えると石橋を叩いて渡る慎重さが求められます。君はこれから卒業研究、修士論文研究に取り組むことになります。卒論研究を始めて君もわかったと思いますが、これまでの大学の授業での勉強は、ほんの助走にしか過ぎません。
学ばなければならないことは山とあり、さらにその先には就職が控えています。就職先でも 非常に多くのこと(社会的な勉強を含め)を学ばなければなりません。20代、30代に得れた訓練と経験が、これからの君の一生の基盤となるのです。この時期に適切な訓練を受け、人間関係・人的資産を築けないと、その後の人生は容易なものではありません。これから知的に刺激的な環境にドップリ浸かることになると思います。世界で誰もやったことが無いことにチャレンジし、この世の中は、やればやるほどわからないことだらけなことに驚樗することになると思います。
この知的に刺激的な世界で、思う存分に力を発揮して欲しいのです。君ならば十二分にそれができ、それを楽しめると信じています。
そのためにもAIDSに関し、正しい科学的・社会科学的な知識を身につけ、リスクを犯さないよう切に望みます。今私が君にできる唯一のことです。2018/11/04 父より
途中、何度も涙を拭いながら読みました。
父の願いは僕が将来健康で生きて社会での活躍する事だけでした。
これ以降、父ともこれまでと変わらずに接する事が出来ています。
以上、両親にカミングアウトした話でした。
また進展があったら記事にしていきます。